2016.09.01更新

こんにちは

 

今日はアピアランスではないですが、抗がん剤治療中に悩まされる副作用の1つである

「味覚障害」についてです。

 

抗がん剤治療中に味覚障害が出現することがありますが、一般的にはあまり知られていない副作用かなと思います。

どちらかと言えば「嘔吐、嘔気」や「食欲不振」、それに続く「体重減少」がよく知られているように感じています。

 

「味覚障害」というものは目に見えないものであるためにとても評価しにくく、患者さん達が工夫しながら生活されている部分も多かったです。

 

近年、NSTと呼ばれる栄養管理チームが活動している病院が多くなってきています。私も病院で勤務していた時はこのチームの一員でした。

抗がん剤治療中の栄養面での困ったことを相談する場所が皆さんの通院中の病院にも存在すると思います。

管理栄養士さんが「栄養指導」という形で予約をとって対応してくれる病院もあります。

「味覚異常」や「食欲不振」等でお困りの方は通院中の病院で訊ねてみてもよいかもしれません。

 

千葉県がんセンターでは

「がん患者における味覚障害の状況を把握し、がん患者が自宅で食事をおいしく楽しむためのレシピを提供する。」ということを目的に

 

キッコーマンと共同で味覚障害の研究を行っており、以下の結果を得ています。

千葉県のHPより抜粋させて頂きます。

http://www.pref.chiba.lg.jp/gan/press/2013/eiyo-kenkyu.html

 

1)数ある抗がん剤のうち、代表的な2種類(<1>FEC療法※2で用いられるアンスラサイクリン系抗がん剤、<2>TC療法※3で用いられるタキサン系抗がん剤)を投与される「乳がん」の患者を対象に、詳細な味覚調査を行いました。


(2)<1>FEC療法の場合は、味覚異常は投与直後に現れ、それがコース※4を重ねるごとに蓄積しました。<2>TC療法の場合は、味覚異常は投与開始後4、5日目に現れるものの一時的な症状であり、次コースが始まる3週後には回復しました。


(3)味覚の基本五味(塩味・甘味・旨味・酸味・苦味)の推移を調べたところ、<1>FEC療法は旨味以外の四味を強く感じる傾向が認められました。特に、苦味を苦痛に感じる患者が多くいました。逆に、<2>TC療法の場合、五味全てを弱く感じる傾向がありました。


(4)以上を踏まえ、個々の治療内容と症状に応じたレシピを開発しました。<1>FEC療法の場合は、和風だしやレモンなどをいかし、<2>TC療法の場合は、スパイスや薬味を効果的に用いました。レシピの検証のため、がん患者に、味覚異常が認められた時に自宅でレシピに従って料理し、試食してもらいました。試食後の評価はおおむね良好で、抗がん剤による味覚の変化へ対応できるレシピであることを確認しました。

 

 

乳がんでの治療にも多く使われているFEC療法、TC療法で味覚障害の出現の仕方が違ったという結果になっています。

抗がん剤の副作用の「味覚障害」といっても、薬剤によって感じる症状が違うと分かると対応も考えやすくなります。

しかもレシピも紹介されていて取り入れやすそうで素晴らしい!!!と思いました。

http://www.kikkoman.co.jp/homecook/cancercenter.html

よかったら参考になさってください。

 

今日は少しアピアランスから離れた話でしたが、栄養もとっても大事です。

 

投稿者: NPO法人 全国福祉理美容師養成協会

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