昨日12/9、改正がん対策基本法案が成立しました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161209/k10010800971000.html
「がん患者が安心して生活できる社会の構築」を目指し、とありますが、改正前から掲げてた気がするけど・・・
よく分かりませんががん対策基本法をもとに、がん対策基本計画というのが作られるのだと思うので、今のがん対策基本計画が平成28年度までの計画だから、来年度には計画も変更されるのでしょう。
今回の改正で大きく変更された点は(以下https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20161209-OYTET50055/より引用)
◆改正がん対策基本法の主なポイント
○小児がんの子どもが学業を続けるための環境整備
○検診でがんの疑いがある人の受診促進
○診断時からの緩和ケア、良質なリハビリの提供
○希少がん、難治性がんの研究推進
○事業者の責務として、患者の雇用継続への配慮を明記
就労支援に関しては、前回からも取り組まれていましたが、「努力義務」という形ではありますが、事業者は雇用を継続するように配慮することが求められるということになります。
これは、すごく大きいこと、なんだと思います。
患者さん達と話していると度々
「会社で嫌な顔をされる」
「上司が暗にもう働くの辞めたら、って言ってくる」
「がんになりましたって言ったら、で、いつまで休むの?いつから働けるの?と聞かれた」
のようなエピソードを聞きます。
これってきっと多くの方が経験してきたことなのかなと思います。
でも、治療にもお金はかかるし、仕事は辞められないと唇をかんで頑張っている方も多いでしょう。
そのような現状を問題として、法を動かす努力をしてくれた様々な人の功績が今回の改正案なんだと思います。
法の力はすごくて、社会の常識を変えるきっかけになります。
病院も事業主も、法が変われば(たとえ嫌々だったとしても)態度を変えることになります。それに合わせた対応を考えるということです。
啓蒙活動なども同時に行われているので、そういう影響もありつつ、徐々に社会全体の考え方が変容していき、いつの間にかそれが当たり前の社会になっていく。
それこそ「がん患者が安心して生活できる社会の構築」ということなのでしょう。
改訂するにあたって、多くの方がご尽力なさったのだろうと想像します。
その中には患者さんやご家族なども含まれていると思います。悔しい想いをした方の声が形になったのかなとも思います。
簡単なことではないでしょうから、本当に働く世代の患者さんにとってすごく意味のある、ありがたい改正になったと感じます。
法が変われば、社会が変わります。
偶然かもしれませんが、昨日お話した患者さんが前回お会いしたときに雇用の継続が難しいと言われたとがっかりしていたのに、復帰することになりましたと話していました。
もう新しい風は吹き始めているのかしら。
私たちも安心して社会で活躍できるようにサポートしたいなといつも思っています。