娘さんの卒業式の際にレンタルウィッグを利用してくださった患者様が先日あぴ会に参加してくださいました。
店に入ってきた時に「あれ?なんだかすごく素敵になられたなぁ」と感じました。
話を聞くと・・・
「卒業式の時にウィッグをお借りして、ほーんとによかったんです。
後ろ姿を気にすることもなく(後ろから見られてウィッグだと思われるんじゃないか、という不安がなかったという意味です)、一番前に座れました!
すっごく嬉しかったー。その時の私の様子をみて、主人がそんなに違うならって新しいウィッグも買えばいいしと言ってくれて」
と。
もともと明るくてとっても朗らかな患者様ですが、とっても笑顔が素敵になった気がしました。
病気や治療によって、多くの方が一時的であることも多いですが自分に自信がなくなります。
「健康であった私」
「女性として、妻として、母として、職業人として、自分の役割を果たしていた私」
「考えていた未来にいる私」
多くのことを一気に失うような(実際完全に失うものは一握りだったりしますし、形を変えてまた新しい自分にあった何かがやってきます)大きな喪失感を味わいます。
自信をなくし、内向きの思考になることがあります。
女性なら多くの人が経験値として知っているかもしれませんが、健康であっても
「メイクをする」だけで、ちょっぴり自信がでます。
メイクをするとすっぴんよりも可愛くなる(と少なくとも自分は思っているはずです。じゃなきゃしないよね、めんどくさいだけだもん)ので、自己肯定感が上がります。
するといつもよりも素敵に笑えたり、まっすぐ相手の顔をみて話をしたりできるようになり、印象が変わります。
そして、それは良好なコミュニケーションを生むこととなり外に出かけることが楽しくなります。ワクワクした気持ちになります。
それは、病気の時も同じです。
今回のように自分にあった自然なウィッグをつけることも、メイクと同じように自己肯定感をあげる一つの手段です。
自分を喜ばせること、は思いの外大事です。
そして今回嬉しかったのは、「ごきげんで楽しそう、嬉しそうな奥さんを見てご主人がウィッグを買ってくれた(買ったらいいよ、と言ってくれた)」ということ
日本人のお母さんたちはとても辛抱強く夫や子供に尽くしている、と海外の女性から驚異に満ちた目で評価されることがあります。
日本では長年、それが美徳みたいな感じになっていて「自分を満たすこと、喜ばすこと」に対して罪悪感をもっている既婚女性が多いです。
なんだか引け目を感じる、ということだと思います。意識のあるなしに関わらず傾向としてそう感じます。
自分を喜ばせると、実は周りも喜んでくれる、という好循環に乗らない手はない、と私は思っています。
楽しそうに、可愛く笑っている奥さんを見ると、よかったなぁとご主人も喜んでくれる、という当たり前なのに忘れてしまいがちな視点を確認できた嬉しいご報告でした。
みなさんの周りにも、心配している人がいるはずです。
笑顔で居られるようにすることは、自分のためだけではなく周りのためでもある、
と思うと思慮深い日本人女性も少しは自分を甘やかしてくれないかな、と期待して今日はこんなことを書いてみました。
甘やかし方がわからない人は、ご相談ください。
自分のことを誰かに話す、聞いてもらうってのも一つの甘やかしです。
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