2016.08.18更新

こんにちは

 

一年以上前の記事ですが、以下引用させてもらいます。


<乳がんで抗がん剤>98%に脱毛 5年後も10%がかつら
毎日新聞 7月9日(木)10時30分配信

 ◇抗がん剤副作用の「脱毛」実態、初めて明らかに

 乳がんで抗がん剤治療を受けた女性の98%が頭髪などの脱毛を経験し、抗がん剤投与を終えてから5年たった人の中にも、髪が十分に生えそろわずかつら(ウイッグ)を使用している人が約10%いるとの調査結果を、専門医らのグループがまとめた。

大規模な患者調査で抗がん剤の副作用による脱毛の程度や経過の実態が明らかになったのは初めてだという。

 調査は2013年4~10月、乳がんの手術後に抗がん剤治療を受けて5年以内の女性を対象に実施し、全国の47医療機関に通院する約1500人から回答があった。

平均年齢は54.7歳だった。98%が頭髪などが抜けたと回答し、脱毛が始まったのは抗がん剤投与開始から平均18日後だった。

94%が頭髪の8割以上が抜け、眉毛、まつげが8割以上抜けた人も約60%ずついた。

 再び頭髪が生えてきたのは、投与終了から平均3.4カ月後。投与終了から2年たった人の約60%は頭髪の8割以上が回復したが、5年たっても3割以下の回復にとどまった人も約5%いた。高齢になると回復が遅くなる傾向があった。かつらの平均使用期間は約1年だった。

 国立がん研究センターが実施した抗がん剤の副作用の苦痛度調査(09年)によると、「頭髪の脱毛」は男性では18位だったが、女性では1位。

 調査を担当した国立病院機構仙台医療センター乳腺外科の渡辺隆紀医長は

「医療関係者に実態を知ってもらい、ウイッグの情報提供や眉毛の描き方の指導などの支援につなげてほしい。

患者ががんとの診断や治療で混乱している中で、脱毛についてどのように伝えるのか慎重に検討する必要がある」と話す。【下桐実雅子】

 

 

抗がん剤の副作用で頭髪の脱毛が起こることは治療の経験のない一般の人の中でも比較的知られているものの1つかと思います。

実際抗がん剤を始める前に「髪の毛が抜けますか?」と不安な表情で訊ねられることも多かったです。

 

ただ、眉毛やまつ毛、その他の体毛も抜けるということは患者さんの意識の中にはなく、お話をすると

よく「え!髪の毛だけじゃないんだ。。。」と驚かれました。

 

上で引用した記事の調査によると、

乳がんで抗がん剤治療を受けた女性の98%が頭髪などの脱毛を経験し、

94%が頭髪の8割以上が抜け、眉毛、まつげが8割以上抜けた人も約60%ずついた。

となっており、眉毛、まつ毛の脱毛もかなりの頻度で起こっていることが窺い知れます。

 

「あぴ会」で眉毛の描き方講座での声から

困っていたけれど誰かに教えてもらうチャンスもなく、

一般の化粧品売り場に行くのは(治療中であること、ウィッグを使っていることなどを話すのが面倒だったりして)気分が乗らず、

自己流で試行錯誤しながらメイクをしていたというお話が上がりました。

 

また、眉毛やまつ毛が脱毛していることを診察時に医師に話すと

「そうですか。。。終わったらまた生えてきますからね」と定型文が返ってくるというのがあるあるです。

 

患者さんの多くは、どうにかできるのであればどうにかしたい。(脱毛が防げるのなら防ぎたい、早く生えてくるようにできることがあるならしてみたい)

どうにもできないのであれば、辛さや困っている状況を受け止めて欲しいという気持ちなのかなと思います。

 

 

まつ毛に関しては、グラッシュビスタ®(ビマトプロスト)http://vst-beauty.jp/glashvista/consumer/pc/という治療薬が平成26年3月に「睫毛貧毛症」に対し医療用医薬品として承認されています。

がん化学療法副作用による睫毛貧毛症に対する有用性の報告もされています。

http://vst-beauty.jp/glashvista/consumer/pc/about/index02.html

 

今のところがん化学療法終了後4週間後以降に開始することが望ましいとされていますし(現時点では治療中に使用を開始することに対して安全性が確認できていないため)、

保険外の処方になるので病院によって処方が受けられる場合とそうでない場合があるかもしれません。

ご興味のある方は一度主治医等にご相談なさってみてもよいかもしれません。

 

 

 

以前、治療上の苦痛度ランキング的なものがありましたが、その上位に脱毛を含む外見的変化が占めていたという結果を見て

嘔吐等の身体的な副作用症状に対しての治療や対策が進んで苦痛度が軽減したんだなと感じました。

そのため、相対的に外見的な副作用に対する苦痛度が上がっているのではないか、と私は思っています。

 

外見的な変化に対して、医療者は少し疎いです。(あまり積極的に関心を示さないという感じでしょうか)

治療中心に考えた場合、外見的変化が治療の完遂(最後までやり通すこと)を邪魔するもので無い限り

「治療が終わればもとに戻りますよ」というお決まりフレーズに頼り、患者の精神的苦痛に寄り添うという側面を忘れがちです。

 

緩和ケアの認知にしてもそうですが、外見的な変化に対する医療者の意識や対応に関しても今後大きく変化してくると思っています。

 

患者さんの実際の声はとても医療者に響きます。

 

治療やそれを取り巻く環境が変化してきているので、患者さん達の苦痛も同じく変化していくと思います。

その変化していくニーズに応えていくことも大事な役割だと感じています。

 

 

長くなってしまいましたが、実際に治療をしながら生活されている中でお困りのことがありましたら是非お聞かせください。

まだまだすっきりとお答えできないところも多いですが、患者さんの生の声から分かることがたくさんあります。

 

 

「私はこんなことに困ってるー」「こういうサポートが欲しいなと思ってた」などのお声を是非聞かせてください。

 

ウィッグ&ネイル
アピアランスサポートセンターあいち
(あぴサポあいち)
ウィッグ作成・ネイルケア・足つぼアロマ・メイク・人工乳房など
抗がん剤治療中などに起こる外見的な変化や心配事に対してのサポートを行っています。

ご予約・ご相談はTEL:0120-35241(看護師が対応します)
携帯電話からはTEL:052-751-3700

〒464-0021愛知県名古屋市千種区鹿子殿3番3号
ニューゴールデンビル1―A
(愛知県がんセンター徒歩1分、自由が丘駅徒歩8分)

 

 

 

 

投稿者: NPO法人 全国福祉理美容師養成協会

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